階段の練習、上りと下りで先に出す足が逆になります
公開 2026-08-18 / 更新 2026-09-05|作業療法士・トロル
この記事でわかること
- 上りは健側から、下りは患側から。持ち上げるか支えるかで考えると覚えられます
- 手すりは体を引き上げる道具ではなく、バランスを戻すための支えです
- 階段の前に、10〜15cmの段差で前方とサイドのステップを練習できます
- 人工膝関節の術後は、術側から先に下ろして2足1段へ切り替える方法があります
歩けるようになった方が、最後まで残る課題が階段です。 平地は自立しているのに、段差だけ怖い。よくある場面だと思います。
階段の指導は覚えることが多そうに見えます。 でも押さえるのは、足の順番と手すりの使い方の2つでした。
上りと下りで、先に出す足が逆になります
素材の説明には、はっきり書いてあります。 上りは健側から、下りは患側から先に出す、と。
逆に見えて混乱しやすいところです。 僕は「体を持ち上げるのか、支えるのか」で説明するようにしています。
上りは体を持ち上げる動きなので、力の出る側を先に乗せる。 下りは体を支える動きなので、支える側を上に残す。こう言うと納得してもらえます。
一段ずつが基本です
手すりは「引く」ものではありません
手すりの使い方は、素材によって書き方が分かれています。 段を昇る場面と、椅子から立ち上がる場面で、書かれていることが逆に見えます。
- 手すりを使った段差昇り:手すりは体を引き上げるのではなく、支えとして使うのが基本です
- 浴室椅子と手すりを使った立ち座り:引っ張るのではなく、つかんで体を引き上げるように使います
この記事で扱うのは、上の「段を昇る場面」のほうです。
★上肢で引っぱって登ると、下肢の練習になりません。 それに腕の力が尽きたとき、支えるものが無くなってしまいます。
手すりは、バランスを崩したときに戻るためのもの。 そう伝えると、力の入れ方が変わる方が多い印象です。
階段の前に、段差で練習できます
いきなり階段に行かなくても、練習する道はあります。 段差を使った前方へのステップと、横方向へのサイドステップです。
サイドステップに使う段差は、10〜15cm程度。 膝とつま先の方向をそろえて、体幹を安定させて行います。
前方へのステップでは、膝が内側に入らないよう見ておきます。 降りるときは逆の順序で、ゆっくり。
転倒しやすい練習でもあります
足首を動かす練習も、階段の前段階になります。 手すりを使ったかかと上げとつま先上げは、どちらも支持物ありで安全に行えます。
術後は、降り方そのものを変えることがあります
人工膝関節の手術後は、1段ずつ降りる動作が負担になることがあります。 術側の膝に大きな垂直の負荷がかかるためです。
素材の説明では、手すりを使い、術側から先に下ろして2足1段で降りる方法が挙げられています。 痛みがある場合は介助も検討する、とも書かれています。
このイラストはNG例として描かれていますが、使い方が大事です。 「やってはいけない」だけを見せると、階段そのものを避けるようになります。
歩行や段差のイラストは歩行練習のカテゴリにまとめてあります。この記事で出てきたものは下に並べました。
おわりに
階段は、生活の中でいちばん怖い場所のひとつです。 だから練習の順番を決めておきたいところです。
足首を動かす、段差で前と横を練習する、手すりありで階段へ。 そのあいだずっと、足の順番と手すりの使い方だけは同じことを言い続ける。
この記事は医療行為の代わりになるものではありません。 対象の方の状態に合わせて、専門職が判断してください。
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この記事は、施設内の勉強会・研修づくりの進め方について、作業療法士としての経験をもとに整理したものです。法定研修の要件を満たすことを保証するものではありません。実施が必要な研修の種類・回数・内容は、指定基準や自治体の通知を確認してください。また、掲載内容は医療行為の代替となるものではありません。






